NO.1 ASSEN(Circuit van Drente)/オランダ
サーキットガイドで、まず1番目にご紹介するのは、伝統あるアッセン。正式名称は
「サーキットバンドレンテ」と言います。意味は単純で、「ドレンテのサーキッ
ト」。ドレンテとはオランダ北東部に位置するこの地方を指します。
オランダとは中央部のHolland地方の名前が呼ばれるようになったのでしょうか。国
の正式名称は、総数11の州をまとめてネザーランド(Netherlands/低い国)と言
うのだそうです。国土の殆どが平野で、干拓により面積を確保している為、海面より
低いエリアも珍しくありません。これだけ平らだと確かに風は吹き放題。風車が開発
されるのも納得です。
【アクセス】
アムステルダム・スキポール空港から最短で向かうには、高速道路A6−A50-A7と抜
け、グローニンゲンに一度出てから南に戻るコースがあります。このルートの途中、
最新型の発電風車が数十基並ぶところを通過し、道端にプロペラの見本が置いてある
のですが、その意外にでかいプロペラを間近で見るのは圧巻です。
また、30分くらい余計にかかりますが、北側を弧を描くようにA-7をたどるルート
ですと、途中、今も国土を守り続けている全長30kmにも及ぶ大堤防を通れます。
大堤防の中間には小さなミュージアムと展望台があり、歴史と風土に触れるには良い
チャンスではないでしょうか。
【買い物】
サーキットはアッセンの街のすぐはずれに位置しているので、街に出れば簡単に殆ど
の日用必需品は手に入ります。広場を中心に商店が軒を連ね、平日の午後は大変にぎ
わいます。ちなみに土曜の午後と日曜と、月曜午前は店が閉まります。レースの翌朝
買出しに行っても収穫が無いので注意。
【コースの特徴】
もともと公道だったので、不規則で意味の無いカーブが多い。今でこそコース幅も広
がりカントも付いているが、ほんの少し前は狭い農道をそのまま使用していたのだそ
うだ。’80年代初期のWGPのビデオを見ると、現在高速道路のインターから来る
時使っている道がコースになっている。道端の並木のすぐ横を500ccのGPマシ
ンが全開で抜けていく姿を見ると、今のコースの文句も出ない。
全体にコーナーの数はかなり多く、常に右か左にしかも高速で走る。ストレートと同
じくフル加速している時でもゆるいS字の場合が多く、単純にスリップを使って抜く
訳には行かず、前車のラインとタイミングを計って接触しないようにかわす必要があ
る。多くのライダーが言うとおり、「難しいコース」だと思う。
このサーキットバンドレンテ、現在大改修中である。すでに今年(’99年)8月に
訪れた時点でメインスタンドと最終コーナーよりのビップルームが立派になってい
た。話ではコースレイアウトもかなり変更され、裏の長いくねくねストレートは真っ
直ぐの本当のストレートになるのだそうだ。これだけの伝統を誇るアッセンGPコー
ス。個人的にはどんなに難しいレイアウトであっても、コースキャラクターまではあ
まり変えて欲しくないと思ってしまうのだが、今までの物では危険といえば危険に違
いないので仕方ないのだろう。
ロングコース(GPコース)の第一コーナーの内側には、今でも民家が1件取り残さ
れたように建っている。レースの後の月曜日には、待ってましたとばかりにそこのお
じさんが、干草を外に運び込むのだが、昨日観衆の前でフルバンクで駆け抜けたヘア
ピンを、おじさんが馬車で干草を引いてトコトコ行く様はなんとものどかな物だ。